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知って得する瓦の種類|三州瓦・石州瓦・淡路瓦の特徴比較


岐阜県関市・岐阜市・大垣市を中心に60年以上にわたり瓦工事・屋根工事を手がける日比野瓦店株式会社です。長年の経験を通じて、多くのお客様に最適な瓦選びのご提案をしてまいりました。
 
瓦屋根をご検討の皆様にとって、どの瓦を選ぶかは重要な決断です。日本には三大瓦と呼ばれる伝統的な瓦があり、それぞれに独自の特徴と魅力があります。関市や岐阜市周辺の気候風土に最適な瓦選びのために、今回は三州瓦・石州瓦・淡路瓦の特徴を詳しく比較解説いたします。
 

 

日本三大瓦とは

日本の瓦業界において、特に長い歴史と高い品質を誇る三つの産地があります。これらが「日本三大瓦」と呼ばれる三州瓦・石州瓦・淡路瓦です。それぞれの産地で採れる良質な粘土と、その土地の気候風土に適した製造技術により、独自の特徴を持つ瓦が生み出されています。
 

三大瓦の概要と歴史

 

瓦の種類
産地
生産開始時期
特徴
三州瓦
愛知県三河地方
1700年頃
豊富なデザインバリエーション
石州瓦
島根県石見地方
1600年代
高温焼成による高耐久性
淡路瓦
兵庫県淡路島
1300年代
美しい銀色の景観美

「参照:Wikipedia 三州瓦」
 

全国シェアと流通状況

 
三大瓦は日本の瓦市場において圧倒的な存在感を示しています。全国で流通している粘土瓦の約80~85%が三大瓦で占められており、その中でも三州瓦が約60%と最大のシェアを誇ります。関市や岐阜市のハウスメーカーや工務店で使用される瓦の多くも、この三大瓦のいずれかです。
 

ポイント
三大瓦が高いシェアを維持している理由は、各産地で採れる良質な粘土と、長年にわたって蓄積された製造技術にあります。また、交通網の発達により全国への安定供給が可能になったことも大きな要因です。

 

三州瓦の特徴

三州瓦は愛知県西三河地方で生産される粘土瓦で、日本最大の生産量を誇ります。特に岐阜県の隣県である愛知県産のため、関市や岐阜市での供給も安定しており、多くの住宅で採用されています。
 

製造技術と品質特性

 
三州瓦は1100℃以上の高温で焼成されており、高い強度と耐火性を実現しています。愛知県西三河地方で採れる粘土は、カオリン含有率が31%と高く、きめ細かな質感が特徴です。この良質な粘土により「三州瓦は肌がきれい」と評価されています。
 
製造技術面では、S型瓦やF型瓦など多種多様な形状の瓦を生産できる開発力があり、デザインバリエーションの豊富さが魅力です。釉薬を使用した陶器瓦では、ガラスコーティングのような表面処理により優れた防水性を発揮します。
 

三州瓦のメリット

 

メリット項目
詳細内容
豊富なデザイン
和型から洋型まで幅広い形状・色彩を選択可能
安定供給
約100社の製造企業により安定した供給体制
コストパフォーマンス
大量生産により比較的安価な価格設定
メンテナンス性
同じ瓦の入手が容易で交換修理が簡単

「参照:三州瓦ブランドサイト」
 

 

石州瓦の特徴

石州瓦は島根県石見地方で生産される粘土瓦で、三大瓦の中で最も高温で焼成されることにより、優れた耐久性を実現しています。その特徴的な赤褐色の外観は、高温焼成と来待石を使用した釉薬によるものです。
 

高温焼成による耐久性

 
石州瓦は約1200℃という三大瓦の中で最も高い温度で焼成されます。この高温焼成により、瓦の内部構造がより緻密になり、水分の吸収を抑制する効果があります。その結果、凍害や塩害に対する高い抵抗力を発揮し、岐阜県のような内陸部でも冬季の寒さに優れた対応力を示します。
 
島根県出雲地方で産出される来待石を釉薬として使用することで、独特の赤褐色が生まれます。この釉薬は瓦表面に光沢を与えるだけでなく、水や汚れの吸収を防ぐ保護膜の役割も果たしています。
 

石州瓦のメリット

 
石州瓦の最大の特徴は、その圧倒的な耐久性です。北海道や東北地方の厳寒地域、さらには海外のロシアからも注文が入るほど、寒さに対する強さが認められています。岐阜県内でも、特に冬季の気温が低下する山間部や、長期的な耐久性を重視するお客様に適した選択肢です。
 
また、高温焼成により瓦の密度が高まるため、省エネ効果も期待できます。瓦自体の断熱性能が向上し、夏の暑さや冬の寒さから室内環境を守る効果があります。
 

淡路瓦の特徴

淡路瓦は兵庫県淡路島で生産される粘土瓦で、特にいぶし瓦の美しさで知られています。関西圏の歴史的建造物や寺社建築で多く使用されており、その上品な銀色の景観は日本の伝統美を象徴しています。
 

いぶし瓦の美観性

 
淡路瓦の代表的な製品であるいぶし瓦は、「なめ土」と呼ばれる粒子の細かい粘土を使用し、約1000℃で焼成した後に燻化処理を行います。この燻化処理により、美しい銀色の表面が生まれ、時間の経過とともに深みのある色合いに変化していきます。
 
製造温度は三大瓦の中で最も低い1000℃ですが、長時間をかけてじっくりと焼き上げることで、優れた強度と美観性を両立しています。岐阜県内でも、和風建築や景観を重視する住宅で採用されることがあります。
 

淡路瓦のメリット

 

性能項目
特徴詳細
色あせ耐性
酸・アルカリに強く長期間美観を維持
耐火性
高温で変形せず有害ガスも発生しない
圧縮強度
高い圧力に対する優れた耐性
用途の多様性
屋根材から景観材まで幅広い用途に対応

「参照:街の屋根やさん奈良南店」
 

三大瓦の性能比較


三大瓦はそれぞれ異なる特性を持っており、用途や地域の気候条件、お客様のご要望に応じて最適な選択が可能です。ここでは客観的なデータに基づいて、各瓦の特性を比較いたします。
 

耐久性・美観性・コスト比較

 

比較項目
三州瓦
石州瓦
淡路瓦
焼成温度
1100℃以上
約1200℃
約1000℃
耐寒性
標準
優秀
良好
デザイン性
豊富
特徴的
伝統美
コスト
リーズナブル
高価
中程度
入手性
優秀
良好
良好

「参照:屋根修理なら【テイガク】」
 

岐阜県での推奨瓦

 
岐阜県関市・岐阜市・大垣市の気候特性を考慮すると、以下のような瓦選びをお勧めいたします。
 
一般住宅には三州瓦が最適です。隣県愛知県産のため供給が安定しており、豊富なデザインバリエーションから住宅スタイルに合わせた選択が可能です。また、メンテナンス時の部材調達も容易で、長期的なコストパフォーマンスに優れています。
 
山間部や寒冷地には石州瓦をお勧めします。岐阜県北部の冬季における低温や積雪に対して、高い耐久性を発揮します。初期費用は高めですが、50年以上の長期使用を考慮すると、総合的なコストメリットがあります。
 
和風建築や景観重視には淡路瓦が適しています。特に関市や岐阜市の歴史的な街並みに調和する美しい景観を実現できます。いぶし瓦特有の落ち着いた色合いは、時間の経過とともにさらに味わい深くなります。
 

日比野瓦店からのアドバイス
瓦選びでは、初期コストだけでなく50年間のトータルコストを考慮することが重要です。当社では現地調査を行い、建物の構造・立地条件・お客様のご要望を総合的に判断して、最適な瓦をご提案いたします。

 

瓦選びで理想の住まいを実現

三州瓦・石州瓦・淡路瓦は、それぞれが日本の優れた伝統技術の結晶です。関市・岐阜市・大垣市周辺にお住まいの皆様が、長期にわたって安心して暮らせる住まいを実現するために、適切な瓦選びは欠かせません。
 
日比野瓦店株式会社では、60年以上にわたる豊富な経験を活かし、お客様の住宅に最適な瓦をご提案いたします。立地条件、建物構造、ご予算、デザインのご希望など、あらゆる要素を総合的に検討し、長期的な満足度の高い瓦工事を実現いたします。
 
瓦選びでご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。現地調査・お見積もりは無料で承っており、専門スタッフが丁寧にご対応いたします。
 

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日比野瓦店株式会社
〒501-2515 岐阜県岐阜市三輪宮西314-3
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※営業・セールス目的の問い合わせはご遠慮願います。
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